学歴の差は「初任給の差」ではありません。カーブの傾きの差です。年齢とともに、どれだけ開いていくかを見ます。
ANSWER
学歴による賃金差は、入口では小さく、出口で開きます。20〜24歳で高校225.2千円・大学院298.8千円(1.33倍)。ところが50代後半では高校332.1千円・大学院676.2千円(2.04倍)。差を作るのは初任給ではなく、カーブの傾きです。
年齢階級別・所定内給与額(千円/月)
CURVE
ピーク値 ÷ 20〜24歳の値で定義しました。20〜24歳を分母にしたのは、〜19歳では大学・大学院の該当者がいない(公表値が存在しない)ためです。ピーク値は各系列の最大値(60歳以降の下降を含まない)。原典の数値は一切加工していません。| 学歴 | 20〜24歳 | ピーク | 傾き(ピーク÷20代前半) |
|---|---|---|---|
| 高校 | 225.2 | 335.1 | 1.49 倍 |
| 専門学校 | 238.4 | 363.7 | 1.53 倍 |
| 高専・短大 | 243.3 | 364.0 | 1.50 倍 |
| 大学 | 263.9 | 529.1 | 2.00 倍 |
| 大学院 | 298.8 | 676.2 | 2.26 倍 |
単位:千円/月(男女計・所定内給与額)。傾きは本サイトによる算出。
高校卒のカーブは1.49倍で頭打ちになります。大学院卒は2.26倍まで伸びる。同じ「年齢を重ねる」でも、傾きがまったく違う。
ここから読めるのは、学歴が効いているのは初任給ではなく、その後に到達できる職務の幅だということです。実際、役職者の賃金(部長級635.8千円)は、非役職者(310.5千円)の2.05倍。カーブの傾きの差は、役職到達率の差とおそらく無関係ではありません。
ただし、この統計は因果を示しません。学歴が賃金を上げたのか、賃金の高い職種に学歴の高い人が就いているのか、この表からは判別できません。
| 区分 | 20〜24歳 | ピーク | 傾き |
|---|---|---|---|
| 男性 | 245.7 | 445.6(55〜59歳) | 1.81 倍 |
| 女性 | 239.6 | 305.7(45〜49・55〜59歳) | 1.28 倍 |
| 女性 ÷ 男性 | 97.5 % | 68.6 % | — |
単位:千円/月。比率は本サイトによる算出。
20代前半の男女差は、わずか2.5%です。ところがピーク時には31.4%まで開く。男性のカーブが1.81倍まで伸びるのに対し、女性は1.28倍で平坦になるためです。
男女間賃金格差(男=100)は76.6と、1976年以降で最も縮まりました。しかしその内実は——入口ではほぼ差がなく、キャリアの途中で開いていくという構造です。格差は「採用時の賃金決定」ではなく、その後の20年で生まれている。
免責 — 本サイトは公的統計を整理・可視化する情報サイトであり、個別の賃金・処遇・転職・労務に関する助言を行うものではありません。掲載する数値は集団の統計であって、特定の個人や企業の賃金の妥当性を判定するものではありません。 賃金は「所定内給与額」であり、残業代・賞与を含みません。年収ではありません。